ローマ教皇が来日されていましたね。
アメリカに住んでいた子供時代、私は治安上の理由からカトリック系の女子高に通っていました。実家はクリスチャンではありませんでしたので、祈りの言葉を覚えるのもミサでソースせんべいの小さいようなやつを舌の上に置かれるのも初めての経験でしたが、そういった文化に触れたり、学校の一教科として聖書を学んだことが、その後の英語圏の文化の理解にかなり役立っていると感じています。
私立の中高一貫校にはキリスト教系の学校がいくつもありますが、英語教育を重視するのであれば、キリスト教の学校はかなりのメリットがあると思っています。理由は単純で、英語圏の人たちの多くがキリスト教徒であり、彼らの文化を理解し意思疎通するにあたり、キリスト教や聖書についての基礎知識がとても役立つからです。
例えば、「彼女、良くなるといいね。神様に祈ってるよ」っていう単純な英文を考えたとき:
I hope she gets well. I will pray to the Lord.
キリスト教の文化を知っていれば、the Lord が神であることも、このケースでは単語を大文字で開始しないといけないことも、ストンと理解できます。神様の話なんて滅多にしないでしょって思うかもしれませんが、割と真面目でアカデミックなペーパーや出版物にも、大文字の God とか、our Father、the Almighty といった単語がポロッとでてきます。
Star Wars の名台詞「May the Force be with you(フォースと共にあらんことを)」も、キリスト教のミサなどで言われる「May the Lord be with you」という決まり文句から来ていますよね。映画やゲームでよくでてくる用語でも、Genesis はなにかの始まりを表すこと、Exodus は何かからの脱却や脱走を表すことが、旧約聖書を知っていると自然にわかります。聖書用語や登場人物は日常生活のあらゆるシーンで「誰でも知っている存在」として出てきます。例えば、日本では一部のアニメファンの間で「マミられる」という言葉で状況が伝わるように、英語圏でも「Jonah といえばでっかい魚に飲み込まれるやつ」という共通認識があります。
高校までの英語の授業であればキリスト教の知識が全くなくても困ることはないかと思いますが、例えば留学を考えているとか、将来的に英語圏のひとと一緒に働くようなことを考えている場合、キリスト教信仰に関する知識を持っていると日常会話がスムーズにできることもあるでしょうし、逆に知識ゼロだと不意に相手の地雷を踏み抜くことがあるかもしれません。*1
サンフランシスコに行ったときに立ち寄ったカトリック教会
英会話や西洋文化の理解に役立ったという以外にも、ある程度洗練された信仰や教典に若いうちに接しておくことで、他の宗教や信仰にも寛容的になることができたり、怪しい宗教にも引っかかりづらいように思います。
そういうわけで、私は英語教育重視な方にはキリスト教の学校を推しています!
自分でも、ボーイの進学先として、青山学院とか立教とか暁星などに強い憧れがあります。立教なんて英語教育を重視するなら理想的なのではないかと。また、暁星は馴染みのあるカトリックですし、英語だけではなくフランス語も学ぶあたりが好感度高いです。私もアメリカでの高校時代に第一外国語としてスペイン語を学びましたが、プロトコルが少しだけ違うけど英語との共通点も多い言語を学ぶことで英語に対する理解も確実に深まりましたし、スペイン語の文法や言葉をだいぶ忘れてしまった今でも「主の祈り」はスペイン語で詠唱できます(*´Д`)
でも、どうもうちの庶民派ボーイは、あまり暁星っていうイメージではないので、憧れだけにとどめております。
うちのボーイがガールだったらキリスト教の女子校に押し込むのに、というのは、このブログでは三度目のぼやきでした。
*1:宗派にもよりますが、婚前交渉や自慰行為や避妊すらNGだったり、不倫や人工中絶に関する激しい嫌悪があったりし、話題に気をつける必要があります