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2021年中学受験のサピックス梅ブロック男子を応援する母のブログ

学年が9月開始になることのメリットについて、アメリカでのサマースクール経験から語ってみる

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小学校4年から高校2年まで、アメリカに住んでいました。9月に新学期が開始することのメリットを享受してきたこともあり、コロナ休校から派生した 9月開始案には割と賛成派です。日本でも、学年を構成する生徒の生まれ月は現在のままとして、学年の開始時期だけずらして 9月開始にしたらいいのになぁと思っています。*1

 

私が認識してしている 9月開始のメリットは、主に以下の3点です。

  • アメリカやイギリスなど、9月開始の国と同期するので、引っ越しや留学をするにあたり学年が下がる心配をしなくていい(特に早生まれの人など)
  • 入試の時期に、大雪やインフルエンザ流行の懸念がない
  • 6〜7月の修了から9月の進学まで、宿題のない長い夏休みで時間の余裕があり、サマースクールなどでその子にあった教育を受けさせられる

 

この中で「サマースクール」の仕組みは特に、日本の子供の教育に自由と可能性を与えてくれるシステムだと思います。数十年前のものとなりますが、自分の経験を思い出して語ってみます。

 

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9月に新学年が始まるアメリカでは、6月から7月に学年が修了し、夏休みに入ります。学年が終わっていて宿題もないため、夏休みの前半には子供たちの多くは何かしらのサマースクールに送り込まれました。

サマースクールには、小学校の敷地内で行われる安価なものから民間がやっている高価なものまで、いろいろとあります。

私は現地の公立小学校に通っており、サマースクールも学校の2週間ほどのものに通いました。国算理社のような科目の補習のほか、Writing, Literature, Music, Painting, Fine Arts など、子供の興味に沿っていろいろな科目が用意されていて、空きのある限り、自由に申し込みができました。特定の科目で落ちこぼれた子は、サマースクールで補講することもありました。近隣のほかの学校のサマースクールへの申し込みも可能でした。

 

6年生くらいのある夏、学校で開催されているサマースクールの Computer という科目に親が申し込んでくれました。教室の机が壁際にずらっと並び替えられていて、りんごの印のついたコンピュータがたくさん置いてありました。サマースクールで外部から招かれた先生が、これは Apple Computer と言うもので、これを使って画面に絵を描けるのだと教えてくれました。私はそこで LOGO と BASIC によるプログラミングを学びました。

ITガールが誕生した夏でした(*´Д`)

それからは、自宅の ATARI のゲーム機で BASIC と LOGO をいじり、パパと共用ということで初めての IBM Compatible PC (いわゆる DOS/V機)を買ってもらい、そこに入っていた QBASIC で遊び、なんやかんやあって大学では情報科学科を選びソフトウェア業界に就職して ITママとなったという次第です。

 

唐突ですが、日本の小学校の夏休みの宿題って、バカらしいと思うんですよね。勉強ができる子にとってはドリルなんて時間の無駄でしかないし、勉強ができない子にとってはちんぷんかんぷんなので答えを写して終わらせるしかない。工作や自由研究も、そういう作業が好きな子以外には、苦痛でしかない(親にも)。とはいえ、学年の途中に長い休みがあると、学力低下を防ぐスタンスを見せるためにも学校としては宿題を出さざるを得ず、受検などで内申点が欲しい家庭としては宿題に真面目に取り組まないわけにはいかないわけで、現状仕方ないと思っています。

 

でも、学年が 9月開始になったら、夏休みの宿題も撤廃されて、その空白をカバーするような形で学校主催や民間主催のサマースクールで幅広い教育が提供できるようになるんじゃないでしょうか。習い事や塾などは経済的に通えない子でも、公立の学校主催のサマースクールで意外な才能や興味が発掘されるかもしれませんし、学力の低い子には(宿題という自主学習への丸投げではなく)きちんとした大人の指導のもとでの補習の機会にもなります。

 

サマースクールでは普段の学校のカリキュラムでは学ぶことのできない科目や趣味に出会い、学校の成績とは関係しない、新しく楽しい学びができました。サマースクールの終わった後の夏の後半は、旅行に行ったり、スケボー練習してみたり、より高度な学習をしたり、絵を描いたり、庭でレモネードを売ったり、BASIC の打ち込みに没頭したりして、それぞれ自由に過ごしながら新学年の準備をして、9月の新学年には、Back To School セールで買った新しい文房具やバックパックで登校したものでした。

 

9月を新学年の開始とすると、卒業して進学先・就職先の新しい街に引っ越す人にも十分な移動と準備の時間がありますし、欧米に留学する場合にも、生まれ月によって学年を落とす心配がありません。海外からの留学生も迎えやすいと思います。学校の先生も、(サマースクールに参加しなければ)1ヶ月以上のしっかりとした休暇が取れるので、普段オーバーワーク気味な分、リフレッシュの機会になります。

 

コロナの感染拡大は 9月に収束するとは限りませんので、もし今 9月に学年開始することになっても、結局のところ意味がないかもしれません。

でも、学年を9月開始とする案は受験生にも割とメリットの多い仕組みだと思うので、今後も政府に検討していってもらえたらいいなぁと願います。

 

 

*1:海外での学年の cut-off date については、本記事のコメント欄を参照ください

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