Kindle Unlimited では、「ぼくらの7日間戦争」シリーズを始め多数の子供向け図書を読み放題できます。しかし、Kindle Unlimited のサブスクリプション自体には多数のアダルトコンテンツも購読可能であるため、「Kindleアプリや専用端末を子どもに使わせちゃって大丈夫なのかな?」と迷いました。
今回、小学5年生ボーイに Kindle 端末を与えるにあたり色々と試行錯誤した経験をもとに、親子で Kindle Unlimited を活用するための使い方アドバイスをまとめました。
予備知識
Kindle とは
Kindle というのは、Amazon が提供している電子書籍のサービスです。Kindle 専用のタブレット端末の他、自分のスマホやタブレット、iPhone/iPad などに Kindle アプリをダウンロードして読むこともできます。本や漫画、雑誌など、これまで紙メディアで出版されていた書籍の多くが電子書籍(Kindle 本)として配信されています。価格も紙の本より安く設定されていたり、無料サンプルをダウンロードできたりする、手軽で便利なサービスです。
本エントリーでは、Kindle コンテンツのダウンロードや基本的な使用方法はについては触れません。
Kindle Unlimited とは
Kindle 本を読むためには、基本的には 1冊1冊購入する必要がありますが、Kindle Unlimited というサブスクリプションサービスを使うと、月額 980円で Unlimited に対応している Kindle本が読み放題になります。
新着ラインナップはこちらでチェックできます↓
Amazon で Kindle 本を表示したときに、こんな感じで表紙画像の上に kindle unlimited と書いてある本は、Unlimited 対応しています:
全ての Kindle 本が Kindle Unlimited で読み放題になるわけではないので注意が必要です。
子供向けのコンテンツとしては、上の画像のようなマインクラフト関連の本や、「ぼくらの」シリーズ、「学校では教えてくれない」シリーズなど、たくさんの本が 2020年1月時点では無料で読めるようになっています。ラインナップは定期的に更新されているようなので、この記事を読んだタイミングによっては、Kindle Unlimited 対応していない可能性もあります。
新着本もどんどん入ってきますが、1、2ヶ月購読したら読みたい本を読み尽くしてしまったりするので、飽きたらいったんサブスクリプションを切って、また読みたい本が出てきたときに再加入するようにしています。
子供に Kindle を与える
Kindle 端末の選択
Kindle の電子書籍は、色々な機械で利用することができます。
- Kindle 専用端末:e-ink (電子ペーパー)の画面。端末内でも書籍を購入可能。
- Kindle タブレット:安価な androidタブレット。端末内でも書籍購入可能。
- スマホ・タブレット(iPhone, iPad含む)の Kindle アプリ:アプリ内では書籍購入はできないのでウェブブラウザなどから購入可能
- ウェブブラウザ
子供がスマホやタブレットを使用できる場合、そこに Kindle アプリをインストールするのが一番手軽な利用方法ですが、私は子供向けにはアプリは推奨しません。スマホやタブレット端末だと、読書以外にもできることが多すぎて、読書に集中できないからです。その点、Kindle 専用端末は読書しかできませんし、後述するように親が選んだ本だけをダウンロードしておけば良いので、私は Kindle 専用端末を子供に貸しました。
スマホの使用時間は制限したいけど、本を読むだけなら好きな時に好きなだけ読んでもらっていいと思ったのも、iPhone アプリではなく Kindle 専用端末を選んだ理由の一つです。
(2020/01/19 追記)
アプリだとホーム画面の表示などに制限がほとんどかけられないのも、子供向け端末にKindleアプリをあまり推奨しない理由の一つになります。
たまに、写真集のような本がベストセラーにしれっと混ざっていることがあり、あまり子供の目に触れさせたくないなぁと思うのです。↓
Kindle 専用端末について
Kindle 専用端末は、e-ink (電子ペーパー)という紙に似た質感の特殊な画面を使用しています。画面がモノクロで、ページをめくる際の画面読み込みが遅いなどの欠点もありますが、液晶画面と違って屋外でも見やすかったり、電池が長持ちするのでいちいち充電を気にしなくていいという利点があります。液晶画面より目に優しいかどうかは、実際のところよくわかりません。夜中に布団の中でずっと本を読んでたりしたら、紙にしろ Kindle にしろ、目は悪くなると思います。
Kindle 端末は Amazon で購入します。検索すると、いくつかの機種があるかと思います。子供に渡す端末を選ぶにあたり、私は以下のように考えていますが、最終的にはお値段の安いものでも十分です。
- 広告があるかどうか:ない方が良いですが、特に有害な広告は出ないし読書中には表示されないので、あっても大して問題ありません。あるなしで 2000円の差。
- Wifi のみか、無料の4G通信付きか:無料の4G通信がついていると出先にいても(携帯電波の届く限りは)本をダウンロードできるので便利ですが、端末は高くなります。「おでかけ先でも本をダウンロードしたい」とかの要件がなければ、wifi のみで問題なし。
- 防水かどうか:よっぽどアクティブな使い方をするのでなければ、別に防水でなくても良いです。
- 端末の色(黒か白):好みで。
- 画面の大きさや画質:小さくても良い。あまり大きいと、子供が持ち歩くのは大変。文字の大きさは端末内で設定できるので、活字を読むなら画面の大きさはあまり気にしなくて良いです。
- 本体の記憶容量:漫画や雑誌、絵本をたくさん読むなら容量大きい方が良いけど、テキストベースの本はデータサイズは小さいので問題ない
2020年1月現在で販売しているモデルだと、基本タイプの Kindle か、防水機能つきの Kindle Paperwhite あたりが子供向けには良いと思いますが、もう少し古い Kindle を安く買えるかもらえるかするようであれば、それでも十分です。月末によくある Amazon タイムセール祭みたいなタイミングだと数千円安く買えるので、購入するのであれば値引きタイミングを待っても良いと思います。私は 5年前に自分用に購入した旧型の Kindle Paperwhite という端末を与えました。このモデルには防水機能もないですしカバーもつけていませんが、その分小さくて軽いので、ボーイは出かけるときにはコートのポケットに入れて気軽に持ち歩いています。
商品説明ページの真ん中あたりに各機種の比較があります↓
漫画や図鑑、雑誌などのコンテンツを沢山読むようであれば、ページめくりや解像度的な観点から、Kindle 専用端末ではなく描画機能が高くて大容量のタブレット端末+Kindleアプリを勧めます。金に糸目はつけず我が子には最高の構成で、ということであれば、iPad Pro を勧めます。大きくて重くはなりますが、ペーパーライクなフィルムを貼ると、画面も紙っぽい雰囲気になります。
なお、最近、子供向きの Kindle キッズモデルというものも発売されました。このモデルに含まれるFreeTime Unlimited という1000冊以上読み放題のサービス(1年分)は、3歳から12歳向けのラインナップですので、子供にこの端末を渡して「好きな本を勝手に選んで読んでいいよ」という使い方をするのであれば、安全に使える選択肢の一つとなります。ここで、FreeTime Unlimited と Kindle Unlimited では対象コンテンツが異なります。Kindle Unlimited は FreeTime Unlimited の上位互換ではないので注意が必要です。
キッズモデルの端末はカバーがついていて頑丈そうですが、小学校高学年になると、カバーをつけていなくてもそうそう壊すことはありませんし、カバーがついていることで無駄に重量とサイズが増してしまい、かえって持ち歩きづらくなるという難点もあります。キッズモデルは防水機能もありませんし、FreeTime Unlimited の魅力の一つである絵本や学習漫画といったコンテンツはどちらかというとモノクロで描画の遅い電子ペーパー端末よりは、高機能なタブレット端末の方が閲覧にむいています。ガジェット好きから見ると「ちょっと中途半端な端末」という印象です。
キッズモデルと通常の Kindle との違いは、こちらのページの真ん中あたりに比較表があります↓
本エントリーでは引き続き、通常の Kindle 端末 + Kindle Unlimited で親子で読書する際のおすすめ使用方法を書いてゆきます。
Kindle 端末へのコンテンツの配信
Kindle Unlimited では、一度に購読できる本は10冊までです。11冊目を読みたいと思ったら、それまでの10冊のうちどれかを利用終了する形となります。うちでは、子供には Kindle Unlimited のことを「一度に10冊まで貸し出しできる電子図書館のようなもの」と説明しています。今は、基本は子供用に5冊、自分用に5冊のクオータを目安に利用していますが、シリーズ物を一気に読みたくなった場合などには互いのクオータをはみ出すこともアリにしています。
コンテンツの配信については以下のように完全に親が管理するようにしています。
- 基本、子供の端末では、Amazonのブラウズや本のダウンロードはできないように設定(詳しくは後述)。自動配信もしないように。
- 子供が食いつきそうな本と、自分が子供に読んで欲しいと思っている本を Amazon で探して「読み放題で読む」ボタンで利用開始。
- そのままだと子供の端末には本は配信されないため コンテンツと端末の管理 のサイトから、子供に読ませたい本だけを子供の端末に配信。私が読むラノベや漫画や実用書の類は、子供には配信しない。(ただ、後述する設定を変えなかった場合には子供の端末からもタイトルと表紙だけは見えてしまうので、大人向け図書を読みたければ別のアカウントでやるべしw)
- コンテンツを探すときは、「読みたい本があったら探してみるよ?」と言って子供の希望を聞いた上で、子供が見ていないところで大人が Amazon をブラウズして確認。一応、Amazon にも 児童書の新着ランキングみたいなページはあるが、「児童書」カテゴリーにふさわしくない本もあるので、子供が自分で探すのには向かない。
- 特に希望がなければ、学習まんがやこども向けの読み物などから、よさそうだなと思った本を勝手に配信。
- 読み終わった本は報告してもらい、次の本を「読み放題で読む」際に利用終了処理をする。
- 「コンテンツと端末の管理」のサイトで子供の Kindle に配信されているコンテンツを確認することができるので、意図せぬものがダウンロードされていないかを定期的にチェック
Kindle 端末の子供向け設定
Kindle 端末での本のブラウズや購入は、本体の設定でオフすることができます。
子供が勝手に有料 Kindle本を買ってしまったり予期せぬコンテンツに接触することを防ぐために、私は「設定」メニューで以下の設定をお勧めします。
- 端末オプション → 詳細設定 → ホームとライブラリ → ホーム画面の表示「オフ」。これはストアのおすすめ商品と読書リストを表示するオプションですが、おすすめ商品には子供に見せたくないものも表示されるかもしれないのでオフっておきます。
- 端末オプション → 詳細設定 → ホームとライブラリ → 本の Whispersync 「無効にする」。Whispersync というのは、同じアカウントで使用している他の Kindle 端末とメモやハイライト、読んでいる場所などを同期する機能です。有効になっていても問題はありませんが、親子で同じ本を読んでいるときに「ページを同期しますか?」というダイアログが頻繁に出ると煩わしいので子供端末の Whispersync は無効にしています。
- 読書オプション → 続編 「オフ」。本を読み終わると、シリーズの次の作品の紹介と購入リンクを表示するかどうかの設定です。詳しくは後述しますが、「有料だけど次の本も買って!」のおねだりをされるようになるので、オフにしとくと無難です。
- 読書オプション → ハイライトと「この本について」→ このあたりは好みで。公開メモなどを危険に感じる場合にはオフにします。
- 機能制限 → 特定の機能を制限 → (機能制限パスワード入力が必要)→ ウェブブラウザ、ストア、クラウド を全部「オフ」に。
なお、読書時間を制限できるような機能は(今のところ)ありませんので、就寝時間には取り上げるなどの物理措置を行います。
Kindle 端末を与えたあとの注意点
ときどき端末をチェックする
私は、ときどき Kindle 端末本体を回収し、内容を確認しています。Kindle の自動アップデートが入ると、突然新しいことができるようになっている可能性があるので、月1回くらいは大人が端末をいじってみると良いと思います。
誤って子供向けでない本を子供端末に配信してしまったら
親子でアカウントを共有していると、ちょっぴり大人向けな描写のある漫画を子供用の Kindle に間違って配信しちゃった、みたいなことは、たまにあります(;´Д`)
こういった場合の対処方法は 2つあります。
- 子供の Kindle が手元にあり直接操作できるようであれば、端末から直接削除します。
- もし子供 Kindle がすぐ手元にない場合、コンテンツと端末の管理 のサイトで削除操作を行います。残念ながら、特定の端末から特定の本の配信を削除するということはできないため、緊急避難的に、その本の購入自体をアカウントから削除する形となります。
Kindle Unlimited で購読している本であれば、本のメニューから「この本の利用を終了」を選択し、一旦購読を終了します。
普通にお金を出して買ったKindle 本の場合、本のメニューから「削除」を選択します。すると「削除をするとお客様のアカウントから完全に消去されます」という確認のダイアログが出ますので、「はい」を選択して、アカウントからその本の購入状況を完全に消去します。これにより、すべての Kindle 端末・アプリからその本が消去され、その本は「買っていない状態」に戻ります。
なお、この方法で一時的に購入を削除した後でも、カスタマーサービスに連絡することで、削除したコンテンツを復帰してもらうことが可能です。
いずれの方法も、Kindle 端末が次にネットワークに接続したときに変更が反映されます。
ハマりすぎに注意する
Kindle Unlimited では多くの本を気軽に読むことができますが、シリーズものの小説については(一部を除き)「最初の2、3巻だけ」みたいなことが多いです。本を読み終わると、設定によってはご丁寧に「次の本はこちら」みたいなダイアログが出ますので、子供は普通に「続きを読みたい!」と言ってきます。図書館で借りてこようか、と提案しても、コタツに入ったまま Kindle で次々と本を読むという体験があまりにも快適すぎるので、「すぐに続きを読みたい! Kindle で本を買って!」ということになります(;´Д`)
読書は夜何時まで。有料の本は1月に一冊まで。あとは図書館で。などのルールをあらかじめて決めておくと良いと思います。
日陰の位置が変わったのにも気づかずに Kindle に熱中しているボーイ。まさかここまでハマるとは。
Kindle Unlimited おすすめ本の記事
このブログでは、たまに Kindle Unlimited 対応している中学受験本などの紹介をしていますので、そういった記事へのリンクをここに記録しておきます。