併願校を公開しちゃうシリーズ第二回目です。
偏差値に拘らず、好きな学校を受験してきた我が家の第三志望校は、埼玉県の春日部共栄中学校でした。
1月6日:第四志望の土浦日大(-15):特待合格
1月11日:第三志望の春日部共栄中学校 (-10):A特待合格 << ココ
1月後半:第二志望の千葉校(-5):出願とは別クラスでのスライド合格
2月某日:第一志望の東京校(+3):合格
※かっこの中の数値は、持ち偏差値とのおよその差です
正直、第四志望の土浦日大は勝てればいいという気持ちで出願しましたが、ここから先は、私がうちのボーイを通わせていただきたいと真に感じた学校です。
春日部共栄中学校とは
埼玉県春日部市にある共学の私立中学校です。どちらかというと、野球などのスポーツや音楽・芸術方面での活躍が有名な学校ですが、最近は進学にもかなり力を入れていて、国公立大学の現役合格を伸ばしています。
入試の難易度としては、サピ偏差値表の下の方に稀に載っていることがある程度の学校なのですが、じゃぁなんで私がこの学校に興味を持ったかというと、じつは私の夫、ITパパの出身校(高校)であり、初めて学園祭に訪問した学校だったからです。
ちなみに、ニコ動世代なら一度は Op 動画をみたことがあると思われるアニメ「らきすた」の舞台となった学校のモデルでもあります(確か作者さんが卒業生)
聖地巡礼
この学校はうちの子に合っているかもと思った理由は、こちらです。
理由1:きちんと青春
どっかの別の学校のスローガンみたいですが、勉強がそう得意でも好きでもないボーイには、せめて良い友達と出会い、楽しく充実した中高生活を送ってもらいたいと思っています。
4年生の頃に訪問した春日部共栄の学園祭は、まさに私が思い描いていた「日本の高校の学園祭」そのもので、リア充もオタ充も、それぞれの居場所で楽しくはっちゃけていました。
音楽あり、ダンスあり、脳筋による人力のメリーゴーランドありで、生徒たちはみなぎる体力で全身全霊学園祭を楽しみ、そして訪問者を楽しませてくれました。実はここが初めて訪問した学園祭だったので、当時は(中高の学園祭ってどこもこんなノリとパワーなのかな)と思っていましたが、後に訪問したいくつかの進学校・付属校の学園祭は、割とおとなしかったりお行儀良かったりで、こんなに男女仲良く生徒総出でパワフル全力投球って感じではなかったですね。
この学校は中学は1学年160名の募集ですが、高校になるとこれに加えてがっつり400人くらい脳筋が入学してくるので、とびきり ZENKAI パワーになるのでしょう。
なお、野球で有名な学校なので、特に甲子園シーズンになると文化系・体育会系に関係なく団結して応援に盛り上がると夫に聞きました(コロナ前の話です)。球技にはは全く縁のないインドア派の我が子でも、そういうお祭り騒ぎに巻き込んでもらえたら、高校時代の思い出として最高だと思います。
理由2:がっつり特待
とはいえ、「楽しそう」だけで私立中学を選ぶわけにはいきません。私立中高一貫は、なんびゃくまんえんの投資ですので(;´Д`)
でも、春日部共栄には、サービス満点の特待制度がありました。
下記は2021年の内容ですが、入試各回の合格者の上位20% に特待制度が用意されていました。
A特待:3年特待(入学納入金、授業料、維持費 3ヶ年免除)
B特待:1年特待(入学納入金、授業料、維持費 1ヶ年免除)
C特待:入学手続き納付金免除
A特待をとれれば、入学費用だけでなく、3年間の授業料も免除です。
3年間タダって金銭的にすごく大きいです。
ちなみに、入試そのものもかなりの親切設計になっていて、受験料は 23000円だけで、何回でも受験が可能。合否や特待内容も、その日の夜にウェブで発表されます。本気で特待狙いで行くのであれば、同日の午前・午後含め、特待取れるまで入試を何度も受けるという手もアリです。
また、1月上旬の入試にもかかわらず、入学手続き(=決断の時期)は 2月8日までと期限が長いのも、併願校として素敵なポイントです。
初のコロナ禍での中学受験、緊急事態宣言だの濃厚接触だの、入試がどうなってしまうのかも見通しのつかない中で、我が家は「とりあえず1月上旬に春日部共栄で特待を押さえられたら、その後の社会情勢がどうなっても最後に笑っちゃうのはあたしのはず」という感じで受験しました。
結果、ボーイは A特待(=3年間タダ!)を取ることができ、第一志望の合格が決まるまでは、第二志望と春日部共栄のどちらに行くかを散々悩みました。
理由3:そして国立大へ
おもしろい学校なのは分かるけど、進学実績的にはどうなのというところであります。
中学ではある程度きちんとお勉強をした受験生たちに囲まれていても、高校でやきうのお兄ちゃんがいっぱい入ってきたら、文武両道の「文」の部分が薄まってしまうのでは、と懸念しましたが、一応、中学から入学する中高一貫コースの子と、高校から入ってきた生徒たちは、カリキュラムが違うので同じクラスにはならないそうなのです。
「文」の部分をしっかりするためにも、中高一貫コースの子はがんばって育成してくれるのかなという期待感がありました。
学校的なボリュームゾーンの進学先は GMARCH ですが、現役で国立大への進学に力を入れてるあたりが好感度が高いです。中学を特待で通えたら教育費がだいぶ浮くので、その分を高校以降の塾に潤沢に振れるな……とか思い描きました。
ネックに感じたところ
うちが一番ネックに感じたのは、通学でした。特に、バス通学の部分です。
春日部駅前から専用のスクールバスが出ているのですが、これが中学高校で時間が分かれていて、(今も同じか分かりませんが)朝のスクールバスは中学生が 7:50 と 8:00 と決まっていました。
電車通学をしていると、事故やら天候やらで、15分くらい遅れることは結構あると思います。そういった場合は高校生と一緒のバスで通わせてもらえるとは思うのですが、間に合わないたびに辛い思いをするのではないかなと心配しました。
おまけ:入試日の様子や感想
入試の日、春日部共栄の校舎で受験してきた感想です。
埼玉の冬はびっくりするほど寒い。待機する大人は、本気の防寒装備が必要でした。私はホッカイロとか持っていったのですが全く足りず、夫の白金カイロにも着火して暖を取りました。
春日部共栄は試験中の待機場所が体育館なのですが、靴を脱いで上履きやスリッパに履き替える必要があるので、薄いスリッパだと足が死にます。そこらかしこにストーブもありましたが、天井が高いので非常に寒かったです。何なら狭い廊下の方が暖かいくらい。
学校近辺には畑しかありませんが、試験時間中も春日部駅間のスクールバスは定期的に出ていたので、私は試験開始から少しして春日部駅にバスで戻り、駅前喫茶店でぬくぬくと過ごしてから学校に戻りました。
予定では 1月11日の午前・午後で受験する予定でしたが、午前を受験したボーイから「大丈夫だ。問題ない」とヒヤリングしたので、午後は受験せずに帰宅しました(連絡なしでドタキャンありです)
最終的に、2月の第一志望校の合格が確定した後に入学辞退のお電話をすることになりましたが、春日部共栄に通う世界線でも全然アリだったと思います。
サピックスにいると、サピの偏差値表に書かれている学校が全てみたいな感覚に陥りますが、サピ偏差値表には書かれていない良い学校もいっぱいあります。サピ偏差値表に書かれていない学校というのは、サピ生なら偏差値を気にしなくても勝てる学校なのです。梅ブロック民でも素晴らしい学校が選びたい放題なので、偏差値は気にせずに色々な学校を見て回ったら良いと思います。