花まるラボ改めワンダーラボさんの、久しぶりのシリーズ新作、「究極の計算」アプリです。
これまで理系ボーイは、同シリーズの「究極の立体<切断>」と「究極の立体<展開>」をプレイしてきました。
いずれも立体図形に慣れ親しむのに適した、クレバーなアプリです。これらを一通りクリアまでプレイしたボーイは、本人の資質かアプリのおかげか分かりませんが、サピックス6年生の前半の算数に毎週出てくる立体図形の切断の演習やテストではあまり苦労しませんでした。
今回の新作「究極の計算」は、図形ベースだったこれまでのシリーズとは異なり、計算術にフォーカスしています。今回も試用の機会を頂いたので、早く早くと急かす子供を抑えてダウンロードしていたのですが・・・
正直、「計算」って、どうなんだろ。
実世界では想像しづらい立体図形の 3D 操作をアプリで実現するのはわかるけど、計算って、アプリでやる必要ある?
子供、飽きないかな?(;´Д`)
なんて心配していましたが、杞憂でした。iPad を子供に渡したら、スクショを撮る暇もなく、あっという間に最初のページのステージが★3つで埋まりました。
私は横から見守るしかなかったのですが、このアプリは計算そのものではなく、計算の工夫ができる箇所をいかに高速に効率的に見分けることができるかのトレーニングに特化したアプリと言えます。実際に計算を行う箇所は、あまりありませんでした。工夫できる場所を見分けるだけです。
中学受験の問題で出てくる計算は、ちょっとした工夫で単純化できるものが多くあります。というよりも、単純化のテクニックを身につけていないと、時間がかかりすぎて、テストのときに最後の問題まで辿り着けなかった、という状況になりえます。
頭ではそう理解しつつも、ある程度慣れがないと単純化ポイントをうまく見つけられないものですが、このアプリはその点のみに特化しており、単純化ポイントをぱっと見で素早く探すのに良い訓練になりますね。
なお、四則演算やカッコの意味などはあらかじめ理解している必要があるため、低学年には向きません。計算を効率的に行わなければいけない、5・6年生のお子さんが対象になるかと思います。
各ステージは、こういう感じの、整数の四則演算(カッコのつくものもある)の式で構成されています。
私は真面目で愚鈍な者なので普段なら左の数から筆算して処理していきますが、中学受験生はそんなことしてられないですよね。式を良く見てみると、左の4項は、値が11ずつ増加する等差数列なのです。これは単純化できます。
ということで、4つの項をタップして選択して、画面下に出ている「技」の中で、等差数列の計算に相当する「ビッグスモール」という技を発動すると・・・
12+23+34+45 という部分が、(12+45)*4/2 という計算式に置き換わりました。こうして式をどんどん単純化して、暗算相当の式にまで落とし込んでからやっつけることでステージクリアとなります。
実際の計算は自分で行う必要はなく、あくまでも単純化可能なところをやっつけるだけなので非常にテンポが良く、計算が苦手な子にも(私か)「オッ、こういう工夫をすれば、かなり楽になるんだな」というのが身につきます。
多様なステージを重ねるにつれ、少しずつ計算の工夫の技がアンロックされていって、複雑な計算でも式を書き換えることで暗算できるようになります。
まぁ、個人的には、こんな計算↓は普通にやればいいんじゃないのって思うものもありますが、
なるほど、左側は20を、右側は30をベースラインにして計算するという方法もあるんですね。数の大きさによっては、その方がずっと楽なことがあるのかもしれません。
さて、本アプリですが、いくつか難点もあります。
まず、まれにプレイ中にアプリがクラッシュしたり、画面の表示がちょっと見切れると言ったバグがあります。たぶんアップデートで改善されると思いますし、ゲーム性や操作性には問題はありませんので気にしていませんが、職業柄、バグをみつけるのは好きなので、たまに「オッ」って思ってスクショ撮ったりしちゃいます。技の説明の部分も、これ多分、左側が見切れている↓
もう一つは、4つの演算子 (+-×÷)が同じ大きさで並んでいるため、演算の優先順位の見分けがつきづらいことです。こんな感じで各項が並んでいると ↓ ぱっと見で演算子の違いや結びつきが分かりづらいという。
最後は、やはり割とお値段が張るところですねw 単機能の定価5000円のアプリって個人で買うにはなかなか高い方だと思うので、遊んでみたい方は、何かのキャンペーンとかで少し安くなっているときに買うと良いです。これが500円だったら、計算を工夫しない系の5・6年生に鉄板でお勧めしちゃうのですが。
ワンダーラボさんの「究極」シリーズ、これからも期待してます!