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2021年中学受験のサピックス梅ブロック男子を応援する母のブログ

栄光ゼミナールとサピックスの違い(2018年の小学4年生時点)

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4年生の夏に、栄光ゼミナールからSAPIXに転塾した話を書きました。今回はそのエントリーの続きで、栄光ゼミナールとサピックスで具体的にどういった違いがあったかを列挙します。転塾を悩まれている方の参考になれば幸いです。

 

以下の内容は、私個人の経験と印象に基づくものです。ネタを思いつき次第、随時追記もします。昨年度の状況をベースにしており、数値も記憶違いだったりする可能性がありますので、あくまでも参考程度とご認識いただけたらと思います。

 

 

 

 

以下、とても長文です。栄光・サピックス比較にはそんなに興味はない方は、このブログで紹介している家庭学習・中学受験グッズのまとめなどご覧になっていってください。

 

 

 

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栄光ゼミナール

  • 1クラス15人くらいまでで、比較的少人数
  • 中学受験マンガ「二月の勝者」に出てくる桜花ゼミナールの雰囲気に近い。
  • うちのローカル駅の教室は4年生の私国立受験クラスは、2クラス(ざっくりとレベルで上下が分かれている)。
  • 通塾は、4年生は週2回、5年生は週3回。
  • 他に、公立中高一貫コースと、公立中学コース(中学受験はしないけど成績強化のためなど)がある。ちなみに、3年生までは細かいコース分けはされておらず、曜日違いで2,3コースが存在しているような感じであった。
  • どの教室もローカル駅の比較的近くに教室があるのでアクセスは良く、徒歩か自転車で通ってる子が多い。車での送迎の子もいる。塾帰りは、教室の外までは先生が見張ってくれる。また、授業後にお迎えに来ている親に、お子さんの状況の報告トークもしてくれる。
  • PITカードというので入退室管理をしている。指定した親のメールに通知を送ってくれるので安心感があるが、カードを通すのは任意なので、カードの通し忘れが多いこどもだと「入室メールがこない、うちの子ちゃんと行けてます??」っていう余計な心配もする。
  • 公立中学コースがあるので、中学受験前提じゃなくても単に学習目的で通ってる子も結構いる。また、中学受験専門の塾ではないので、中学生も通っている。
  • それなりの学校を狙うには中学受験系コースの上位のクラスを維持する必要がある。ローカル駅の小さな教室では上位クラスの中でも学力の幅が大きいため、結局は下に合わせて比較的基礎的なテキストがベースとなる。
  • 「自分のトップ校に行こう」という指導目標なので、必ずしも難関校は目的としない
  • でも難関校を目指す子は、ターミナル駅にある大きな教室のクラスを勧められる。
  • 御三家とか狙ってる人は多分栄光ゼミナールには来ていない(いても転塾していく)
  • 基本的に「近所の教室に通う」形となるので、皆近隣の小学校だったり、親どうしも顔見知りである人が多い。無料の実験教室からの勧誘で入室した親たちは、実際に受験させるかどうかは未定な人も結構いる。
  • 同じ建物に個別指導もあったりする。
  • よくCMやウェブ広告も打っているので宣伝費かけてるなぁというイメージ。
  • 学年主任的な先生はとてもフレンドリーで営業トークも上手く、色々と相談に乗ってくれる。低学年のうちや、受験そのものに迷っている時は、細かく色々と個別相談に乗ってくれるので助かる。
  • 保護者会でも、低学年からの家庭学習の指導や最近の受験の傾向などを色々と解説してくれる。
  • その反面、クラス昇降の仕組みやアタックテストの採点基準など、塾内の仕組みに関するきっちりとした説明は意外と少ない
  • アタックテストという復習テストが月一くらいである。
  • 何回か分のアタックテストの成績でクラス分けされているらしいが、明確な基準点が伝えられないので、クラス昇降の仕組みがわかりにくい。
  • 特に、4年生に進級する時点の組み分けが3年生ラスト数回のアタックテストの点数に依存することなどもきちんと周知されないまま組み分けがなされ、私は不満だった。(忙しい時期だったので大して勉強させずにアタックテストを受けたら、4年生は下の方のクラスでのスタートとなってしまった)
  • 組み分けされた後も、下のクラスの保護者会では明確に「成績順で下のクラスです」とは言われないので、知らない人は組み分けの仕組みに気づくのにも時間を要する。
  • 季節ごとに配布される資料にアタックテストの上位成績者が教室名と実名入りでランキングされる。実名が出るのはこどもには嬉しいようだけど、親は複雑な気分も。
  • メインの講師以外は、若いアルバイトっぽい、ちょっと頼りなさげな人もいる。
  • 生徒の人数が少ない分、親や子供の顔はすぐに覚えてもらえる
  • 授業の見学や体験入学などもできる。授業中のこどもの様子なども細かく教えてくれる。子供の授業中の様子なども見ることが可能なので、低学年のうちは安心。
  • テキストは「新演習」というテキストと、栄光独自の Plan Do とか計算日記とか漢字日記などを使用。テキストが配布されるタイミングは四半期に一度くらいかな。
  • 基本的には復習系の勉強方式だけど、授業の前には動画を見て予習をするものもある。
  • 宿題は、上記テキストのほか、Cats@Home という iPad を使ったウェブシステムを用いてワーク管理やプリントの出力などを行う。ミスの多かったジャンルの問題でプリントを作ってくれると言う素敵な仕組みではあるが、プリントは自分で印刷しないといけないので、自宅にプリンターがないとコンビニまで行かねばならず、面倒。塾の方で印刷して、次回の講義で配ってくれればいいのに。
  • 宿題の量は、ほどほど。サピックスに比べて非常に少ないということはなかったが、テキストの1ページにたくさん問題が書かれているような形だと、結構こどもには億劫に感じる様子。
  • 宿題の管理は基本親がやった方が良い。ウェブにも管理システムがあるが、そこに載っていない宿題などは結局 Plan Do や自分で手帳を用意するなどして自己管理する。
  • 費用は、授業料、テキスト代、システム利用料などに細分化されていて、結局今月はいくらかかるのかという見通しがわかりづらい。四科目全部受講すると4年生はだいたい月5万円くらいで、夏期講習の時期は8万円くらい。季節ごとの特別講習はデフォルトで参加だがオプトアウト可能なので、何なら受けなくても良い。
  • 通常授業も、四科目全部受講しなくてもいいので、科目を選んで節約することは可能(でも、中学受験するのであれば四科目を満遍なくやっておく方が良いので、推奨はされません)
  • 長期休暇の特別講習は、別の校舎の高レベルの講習の勧誘もある。また、作文/特殊算/英語/科学実験/プログラミングなどの色々なコンテンツが提供されて、面白い。
  • 幅広い中学で、栄光ゼミナール専用の学校説明会が行われている。

 

サピックス

  • 1クラス20人ほど。教室によって 1学年に数クラスから20クラスなどの幅がある。
  • クラス分けは、特定のテストの点数によってきっちり分かれている。慈悲はない。
  • 通塾は、4年生は週2回。5年生は週3回。
  • 限られたターミナル駅にしか教室がないので、基本は車か電車での通塾になる。帰りは駅で改札に入るところまで先生が送ってくれる。
  • 駅から塾までの道も、旗を持った屈強な警備員さん*1が見守っている。
  • サピックスの中でも、校舎によって講師・クラス数・合格傾向が違ったりする。
  • プリバートという個別指導もあり、たまに案内のプリントがくる。
  • CMや広告は見たことがない。経費を教材と人件費に集中させているイメージ
  • お知らせやテスト結果速報、受験に関する細かい解析などは、ウェブで掲示される(お知らせはプリントもくるが、最近はウェブにシフトしつつある)
  • 授業料はわかりやすく、テキスト・テスト代も込みになっていて4年生は40500円、5年生は51300円。夏期講習などの特別講習は、別料金だが基本全員参加。
  • 別途購入する参考書が年に数冊あり。授業で使う地図帳、言葉ナビ、テスト範囲となる追加の問題集など。トータルしても1年で1万円はいかない範囲。
  • 別途販売の資料や任意で購入できるノートなどは、教室の受付で購入可能。こどもに現金を持足せなくても受講料にチャージして引き落としてもらえる。
  • 関東では、5年生までは全員、四科目全てを受講することが前提となるカリキュラム。私立/公立でコースが分かれていたりはせず、どこを狙う子も同じように学習する。
  • 授業の見学不可。体験入学も不可。なんなら親は授業の様子を外から見ることもできない。(受付にあるテレビモニターで、教室のざっくりした様子くらいは見える)
  • よって、講師の質はわからない。保護者会で数人の講師には会えるが、その人たちが自分のこどものクラスを教えているとも限らない。基本、塾でのことは塾にお任せするしかない。
  • 講師の質について。学生アルバイトの講師もいる。噂によると、すぐにキレたり壁を蹴ったりする講師もいるらしい。授業の様子は全くわからないので、不安があったらICレコーダーを仕込むなどでしか確認のしようがない。
  • 中学受験マンガ「二月の勝者」に出てくるフェニックスの雰囲気に近い。ただし、入塾時にも講師との三者面談みたいなものは特にない。
  • お試し受講したければ、テストを受けて合格して入室するしかない。夏期講習や冬期講習などのスポットでの入室なら確か入室費(32400円)がかからないのでお試しには良いと思う。
  • 入室テストは、サピックス内でのクラス分けに使うマンスリーテストや組み分けテストと同様の内容になる。サピックスの進度が早いため、4年生なかば以降は結構厳しい内容となる。入室基準を満たさないと、そもそも転塾もできない。入室テストのアドバイスはこちら。
  • 合う、合わないがとても別れる塾だと感じる。見学ができないので、こどもの感覚に任せるしかない。「授業面白い」なら、合っている。「面白くない。テストいやだ」だったら、合っていない。
  • クラス分けや各授業に対する家庭学習のやり方、昇降の仕組みについては入室時の保護者会できっちり説明があり、子供たちもクラス分けをすごく意識して動く。テストのたびにスコア別の組み分け表が配布される。
  • クラスが低くても授業を楽しんでいるこどももいるし、自分で通えているようであれば特に問題はない(うちの子はそう)。また、クラスが低いと言っても、栄光ゼミナールの上位クラスより高度な内容をやっているので、そこの比較は間違えないようにしたい。
  • 4、5年生は、塾の時間は 3時間。この間、休み時間はないらしい。トイレは授業中などに自発的に手を挙げて行くとのこと。
  • 6年生までは、特に講師との面談の機会はなさそう。時々配られるアンケート用紙に質問事項などを書くと、すぐに先生からの電話はもらえて、適切なアドバイスはもらえる。ただ、その先生がこどもの顔と名前が一致しているかどうかは不明。よって、「受験について迷っています」とか「うちの子の授業態度はどうですか」みたいなふわふわしたことは聞いても無駄だと思う。
  • 進度は早い。算数だと、4年生で四則算はほぼ終えて、円周率や扇型などもやっている。5年生で小学校のカリキュラムはほぼ終える形になる。何度も同じ単元を繰り返しやるスパイラル方式なので、途中入室しても問題はないが、いきなり応用的な問題から入るので辛いかもしれない。
  • 基本、ディスカション方式の授業で、ボーイによると教室によってはとてもうるさくなるらしい(一つ上のクラスがすごくうるさいんだ、といった話をたまにしてくれる)。授業を妨害するような子は一時的に外に出されるらしいが、親にはいちいちこどもの授業の様子は通知されない。勉学と関係ない部分で親に余分な負担をかけない、良いガバナンスだと思う。
  • 理系の親が見ても面白い算数の問題がよくテキストに載っている。
  • 組み分けといい授業料といい休憩時間といい、数字や時間の効率にすごくシビアな塾という印象(私はそれを好意的に受け取っているが、そうでない人もいるかと)
  • テキストは、B5サイズで綺麗にホチキスされた冊子、もしくはB4のホチキス止された冊子が毎回配られる。テキストは全クラスで同じものを使うが、授業で扱う問題のレベルがクラスによっておそらく違う。
  • ほぼ完全に復習型のスパイラル学習。ただ、確か 5年生の途中から、理科社会で少し予習も伴うようになるのかな。
  • 「宿題」ではなく「家庭学習」。クラスによって決められた範囲の問題を家庭学習で解いてくる感じ。もちろん、任意でそれ以上の勉強をしても良い。家庭学習に明確な終わりはないのである。
  • 家庭学習は、先生に指示された内容を行い、クラスによっては提出したりしなかったりする。宿題の量や優先度はクラスによって違い一概に多い少ないは言えないが、毎日コンスタントに勉強したとして、4、5年生は平日に1〜2時間、休日は3〜4時間の学習時間が必要になる。
  • 家庭学習の管理は、基本親が行う。手帳やホワイトボードを利用するなど、かなりの工夫や計画性は求められるけど、そこはある程度どこの塾でも同じだと思う。
  • 毎回新しいテキストが配られるので、これも親がきちんと整理できないと床が見えなくなる。テキスト整理の目安については、4年生 5年生 あたりの記事を参照。
  • 御三家を狙わないなら意味がない、とか、αクラスじゃないとサピックスの意味がない、と言った話もよく聞きますが、その話についてはこちらに詳しく私の見解を書きました
  • 時々、カリキュラムとは別の科学実験イベントの案内やセミナーなどが実施される。セミナー内容は、東大や医学部に入学することを目指す内容のものが多い。
  • 意外と幅広い中学で、サピックス専用の学校説明会が行われている。偏差値が割と下の方の学校でも説明会をやってくれるし空いているので良い。

 

 結局どっち?

  • 低学年で、「こどもに色々と学ばせてみたい」「できれば中学受験も」と言う感じで近所に教室があれば、面倒見の良い栄光ゼミナールおすすめ。
  • 中学受験をすると決めているし、できればより良い中学に入れたい。のであれば、サピックスの方が向いている。
  • お弁当を作りたくない共働きのご家庭にはサピックス(うちはこれも大きな決め手となった)
  • ただ、サピックスでは、多量の家庭学習やテキスト管理、学習している単元を把握して子供をサポートすることが当たり前のように親に求められる。親のスペックや事務処理能力が必要。
  • 電車で通塾することを、許容できるかどうかにもよる。最初は親も子も不安があるが、結構なんとかなるし通塾ともだちもできる。
  • 費用については6年生終了時点までのトータルがわからないので本記事では言及はしないが、5年生までは数値のオーダーは大して違わないと感じる。
  • 迷うついでに、他の塾も調べてみると良いと思う。日能研、早稲田アカデミー、四谷大塚、などなど。
  • サピックス→他塾への転塾はいつでも可能と思うが、栄光→サピックスへの転塾は5年生以降は(栄光でランカー入りしているような優秀なこどもさん以外は)難しい。時期が進めば進むほど、栄光と進度の差がつきやすく、入室テストが難しくなるため。本気で迷っているならサピックスに入っておいた方が後で後悔することは少ないと思う。
  • 4年の夏の時点で、うちのボーイの栄光アタックテストでの偏差値は 60 強だったが、サピックスの入室テストでは偏差値 40 強(入室基準は満たしている)。小学校では「頭いいねー!」と言われるこどもでも、サピックスでは下半分となることも。親子ともにそれを受容できるなら良い。トップじゃないとプライドが許さないこどもさんには、スーパーサイヤ人だらけのサピックスは向かない。
  • サピックス生のお知り合いがいたら「サピックスの偏差値表を見せて」と聞いてみると良いかと。(偏差値40台でもこの学校に80%・・・!?)みたいな驚きがある。

 

受験勉強を頑張る全てのこどもさんに幸あれ!(´д`※)

 

2019/04/01 追記:
うちの子に中学受験ってどうかなぁ、って迷っている方は、この辺の漫画を読むと、今時の中学受験がどんな感じなのかのイメージがつくかと思います。特に、「二月の勝者」に出てくる桜花ゼミナールとフェニックスという架空の塾は、栄光ゼミナールとサピックスの雰囲気にとても近いと感じます。

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